いつか書こうと思っていた事件。

元委員長の県幹部、組合に集約・隠蔽を提案 岐阜県裏金
2006年09月04日07時47分
 岐阜県の裏金問題で、裏金を県職員組合に集める隠蔽(いんぺい)方法は、99年1月ごろ、過去に組合委員長を経験した県幹部2人の相談を経て決まったことが、弁護士による検討委員会の調査でわかった。当時の県幹部と組合委員長が岐阜市内の料亭に集まってこの方針を確認。以後、05年度までに総額約2億8000万円の裏金が組合に集められ、半分が使い込まれる結果となった。一連の経緯について検討委は「県と職員組合のなれ合い」と強く批判している。

 隠蔽方法を相談していた委員長経験者の県幹部は、当時の藤田幸也出納長と川添正幸代表監査委員。県職員に同じ時期に採用され、藤田元出納長は76〜78年度、川添元監査委員は71〜74年度に、それぞれ職員組合委員長を務めた。

 報告書によると、裏金の隠蔽は、96年に着任した森元恒雄元副知事(現・自民党参院議員)の進言を梶原拓前知事が受け入れて決まった。

 99年度の県組織再編を前に森元元副知事は、当時の奥村和彦知事公室長に裏金を1カ所に集めるよう指示。奥村元知事公室長は妙案が浮かばなかったため、藤田元出納長に相談し、藤田元出納長はさらに川添元監査委員に相談した。

 この結果、藤田元出納長は組合に集める方法を提案するとともに、職員組合の当時の書記次長に裏金用の銀行口座の開設を指示。約1週間後には当時の坂上一秀委員長を自室に呼んで、「裏金を後任に引き継ぐこともできず、ノイローゼになっている庶務担当者がいる。自殺者も出かねない」と迫り、裏金受け入れを承諾させたという。

 99年1月19日夜、岐阜市内の料亭に、藤田元出納長、奥村元知事公室長と、当時の総務部長、総務部次長の県幹部と、坂上元委員長の計5人が集まり、裏金を組合に集めることを最終確認した。

 その後、知事公室次長と総務部次長が手分けして、本庁にある61課の総括課長補佐を呼び、裏金を組合へ集約する考えを口頭で示した。組織的な命令と受け取られないよう、「一つの方法として組合への寄付も考えられるが、あくまで各課の責任で処理する」との遠回しな言い方をしたという。

 裏金を組合に集めたことについて、藤田元出納長は「当時はどの課にも裏金があった。とりあえずは、裏金づくりをやめさせることが大事だった。金は後で県に返すはずだった」と話している。

 川添元監査委員は「会議で隣の席にいた藤田元出納長から組合に集約する話は聞いたが、『そんなことを組合は受けない』と答えた。相談という口ぶりではなく、友人同士の話として聞いた」と話している。

[asahi.com]

「処理に困って現金を燃やした」というショッキングな事実*1も判明した、岐阜県庁の裏金工作事件。会合に使われた高級料亭での食事代も、当然この裏金(税金)を利用したと思われます。
公務員は、労組を作ることはできても、団体行動を行う権利はありません(国家公務員法地方公務員法で規定されている)。つまり、名前は労働組合でも「互助会」に過ぎないということです。この事実を端的に示した事件であると思われます。
近年、民間企業の労働組合においても経営者側の意見に同調する、という状況が多々見受けられます。「労働組合」自体の存在意義が問われてもいいかもしれませんね・・・。というまえに、組合へ加入する人間の数が減少の一途をたどっている、という統計的事実をみると、既に、その存在意義が問われている、と見た方がいいのかもしれません(非正規雇用の拡大も組合加入者数減少の一因といわれていますが)。
ちなみに、私の主観に過ぎませんが、「労働組合の幹部」は「労働者」ではないと考えています。その企業/組織内での職務を放り出して、組合の仕事しかしていないのですから*2。額に汗している労働者から、最も搾取している人間は、経営陣ではなく、実は組合幹部である、という見方も可能なわけですよ。

*1:これも嘘だったらしい・・・。すべて使い込んだんだってさ(絶句)

*2:閑職に追いやられているという見方もあるけれど・・・