NEET 62万人,高年齢化

厚生労働省は22日発表した04年の雇用情勢を分析した「05年版労働経済白書」の中で、仕事も通学もせず職業訓練も受けていない「ニート」に相当する若年無業者は64万人、フリーターは過去最高だった前年に比べて4万人少ない213万人と推計した。若年無業者は3年連続の同水準で高止まりし、フリーターは景気の回復で企業が新卒者の採用を増やしたため、82年の調査以来初めて減少に転じた。

 若年無業者は、仕事と求職活動をしていない15〜34歳のうち、家事や通学もしていない人の集計。昨年の白書ではこの条件に「学校を卒業した未婚者」という絞り込みを加えたため、03年は52万人としていた。だが、不登校や中退者が含まれなかったとして定義を改め、過去にさかのぼって再集計した。

 その結果、IT(情報技術)バブルの崩壊などによる景気の悪化が影響し、02年は前年より15万人増の64万人に膨れ、以後3年間同数だった。だが、年齢層別では、25〜34歳が02年の35万人から毎年1万人ずつ増える「高年齢化」が見られた。
[asahi.com]

ニートの高年齢化」と一言で片付けているが,もっと根は深いものではなかろうか.

 まず,何故その世代が?という考察をしなければならないだろう.このニュースで取り上げられている,今現在25〜34歳,という一つの世代を特徴付ける要素は何なのかを考えてみたい.

 私が最初に考えた要因は,「第2次ベビーブーム世代」である.今現在36,7〜30歳くらいの世代は,第2次ベビーブーム世代と呼ばれ,同世代間の競争が最も厳しい世代である(受験戦争が典型例).そのため,競争に敗れた人間がニートになっているのでは?という仮説を立てることが出来るが,ニュースでとりあげられている年齢のレンジとは微妙に異なっている.

 次に私が考えたのは,ここ10数年の経済情勢である.就職に関し,「超氷河期」と呼ばれた時代だからである.しかし,今度は逆に30〜34の幅の世代が無関係であることに気付く.30〜34の世代は,大卒であれば超氷河期に突入する直前,バブル期の余韻が残る時期に就職活動を行っていた世代だからである.つまり,この仮説も疑問が残ることになる.

 最後に私が考えたのは,「親の世代」である.ニート自体が,親の経済的庇護の上に成り立つものであるから,その親たちの ことも考えねばダメだろ.ということで,ここで挙げられている年齢, 25〜34 に,単純に25を加えてみると,50〜59.ほぼ団塊の世代に該当する.ドンピシャ(死語)である.*1団塊の世代は,学生運動の中心世代.彼らがその子供達をどのように教育してきたのか,と言う点も問われるべきなのではないだろうか.*2

 以上,ここに述べた意見は私の主観に過ぎないものなので,誰か統計的手法を用いて検証してください.

*1:ちなみにこの着想は,以前,「真性団塊ジュニア」という言葉を以下のサイトで知っていたため思いついたものである,http://www.works-i.com/special/newgeneration6.html

*2:自分の親は団塊の世代より年齢的に多少上だが,3人兄弟の末っ子なので,私自身も25〜34という枠に収まってしまう,という事実は内緒