「課長」のために課をつくる

ある年齢に達し,上司の覚えも目出度く,課長試験を受けることになったAさんがいたとする.そしてこのAさん,TOEIC 等の点数も,小論文も,経理や営業系知識を問うマークシート試験,面接もパスして,見事「課長」の資格を得たとする.
ここで,ふとAさんの勤める企業のことを眺めてみて,どこの「課長」ポストも空いていなかった,と判った場合,このAさん,「課長」の資格は得たものの,どこの「課」の「長」になるのだろう?
たとえ「腐った」企業であっても,非常にダイナミックな行動をとる場合がある.それがこのような状況のときである.新たに生まれた「課長」のために,わざわざ「課を作る」のである*1.同様のことが,部単位(新しい部長のために部を作る),事業部単位(新しい「事業部長」クラスの人間のために事業部を作る),会社単位(役員クラスの人間を「社長」にするために子会社を作る等)で行われるのである.もう絶句するしかない.*2

*1:課を作らない場合は,「課長」として子会社に出向することになるか,既存の部署の課長に据え,その時点まで課長だった人間を,肩書きはその企業によって異なるが,たとえば「担当課長」,「エキスパート」といった,変な名前の肩書きを持った「部下なし課長」へと実質的な降格人事を行う(ただし給与は変動しない).

*2:年度毎や半期毎など,頻繁に部署替えがが行われる企業は,「ヤバイ」と見てもよさそうである.実際,私が最初に勤務したメーカー系企業に関して言えば,たった5年弱の勤務にもかかわらず,10種類もの自分の名刺が手元に存在する