建設業とIT産業の相違点

建設業とIT産業の類似点を挙げてみたので,次に,相違点を挙げてみたいと思う.

  1. 建設業に属する企業は,「建設業法」により,営業するための認可が必要であり,最低限の「施工技術」は保証されているはずである.また,年に1回,経営審査を受ける必要があり,経営状態もある程度の透明性が確保されている.他方,IT業界は「誰でも起こせる」が,その「会社の質(技術的,経営的)」は千差万別.
  2. 建設業では,道路,住宅など,「実生活に直結した,目に見えるモノ」を提供するが,IT業界が提供するものは,基本的に,「システム」,「ソフトウェア」,「ネットワークサービス」といった,エンドユーザの実生活には直結しない(=最悪,無くても問題なく生きていける),かつ「目に見えない」モノを提供する*1
  3. 建設業は,良く言えば「安定した技術」,悪く言えば「枯れた技術」に立脚しているが,IT業界は,良く言えば「発展途上」,悪く言えば「不確定要素を数多く持つ技術」に立脚している.

*1:強いて「見えるモノ」を挙げるとすれば,「情報」ということになる