セキュリティ強化と利便性はトレードオフの関係.

パソコン管理、全省庁「不合格」
 政府が機密情報の流出や漏洩(ろうえい)の防止策強化に乗り出した。安倍晋三官房長官は25日、パソコン端末の安全対策が不十分として、ウイルス対策や機密情報の暗号化などを徹底するよう全省庁に指示した。「デジタル時代」の情報管理には職員の意識改革が不可欠だが、徹底にはなお時間がかかるとの見方もある。

 情報セキュリティ政策会議(議長・安倍官房長官)は同日、首相官邸内で開いた会合で、全19府省庁、46万台分のパソコン管理の状況を4段階評価した結果を公表した。

 パソコン端末に関し(1)ウイルス対策ソフトの導入(2)機密情報の暗号化(3)盗難防止策の有無――など9項目にわたって調べた。基準を100%満たす「A」評価はゼロ。外務、警察など6省庁は評価点が60%未満で最低ランクとなる「D」だった。各省庁が持つサーバーに関しては14が「B」評価で「D」はなかった。 (07:02)
[NIKKEI.NET]

各省庁レベルのコンピュータシステムってのは,電機メーカー/NTT,及びその系列会社がシェアを奪い合っている分野です.当然,下請レベルのことまで考えたら,物凄い数の人員がシステム運用に関与していることが多く,公務員側でも「業者さんにお任せ」にしているところも少なく無い.よって,運用時の利便性を考えると,アカウント+パスワードは使いまわし,といった状況は「ままあること」となる(昨日逮捕された日経社員のインサイダー取引問題も,社内でアカウントとパスワードを共用していた社内環境が原因*1.)
また,ウィルス対策ソフトをインストールすると,ディスクへの書き込みやネットワークアクセスを常時監視するソフトウェアがメモリ上に常駐することとなるため,遅いマシンでは「動きがトロく」なる.そうなると,折角管理者がインストールしたウィルス対策ソフトも,勝手にアンインストールする不逞なユーザーが出てくるわけですな*2.更に,自宅からウィルス対策を施していないノートPCを持ち込んでくるひともいるみたいですし(Winny 等の P2P ファイル共有ソフトP2P 共有ソフトに感染する各種ウィルスによる情報漏洩問題の温床)・・・

よって,この判定結果は現状を正しくあらわしているかと思われます.しかし,警察や外務がそのレベルでは・・・・
防衛庁は大丈夫だと信じたいですな.

*1:この記事の引用元が日経,というのも御愛嬌

*2:不正アンインストール対策のために,組織ではウィルスソフトはネットワークサーバでコントロールする,という仕組みを導入することが最近の主流