いい影響よりも・・・

子どもが採点、先生の「通信簿」導入を検討 大阪府教委
2006年07月18日


子どもの要望で多かったのは「授業がわかりやすく楽しい」こと。国語の授業では、スクリーンに大きな文字を映し出すなど工夫を凝らした=大阪府池田市の伏尾台小学校で


子どもの要望で多かったのが「発表しやすい授業」。同級生に向けても意見が言いやすいように、机を「コ」の字形に並べた=大阪府池田市の伏尾台小学校で

 大阪府教委は、子どもや保護者が授業を採点し、先生に改善を求める「授業評価システム」の府内の公立学校への全面導入に向けて検討を始める。04、05両年度にモデル校で試行した結果、「先生に自己変革を迫った」「閉鎖的な学校文化を変えるきっかけになった」との評価に達したという。「独りよがりの授業だったことが分かった」と効果を認める先生も。一方、子どもに嫌われないように、先生が厳しい指導を避けるなどの影響が出ないか心配する声もある。

 授業評価を試行したのは小中学校と高校の計33校。府教委は近く各校の取り組み事例をまとめた報告書をホームページで公開する。

 モデル校の池田市立伏尾台小学校では、年2回の参観日に、全児童と保護者が授業を採点した。

 6年生のあるクラスでは、児童が「分かりやすい話をしていた」「自分の発表を先生はしっかり聞いていた」など10項目をA〜Dの4段階で評価。保護者には「黒板の字が分かりやすく書いている」など7項目について尋ねるアンケートを配った。

 2年生の担任を務める田阪佑樹教諭(27)は「新任当時は質問をさえぎることもあった。子どもの意見は自分の欠点を知り、力を伸ばすうえでも役に立っている」と話す。

 府立交野高校(交野市)は昨年12月、2学期の終業式の日に、生徒が全教科の先生の「通信簿」をつけた。「先生にエール」と題した青い紙と「私の声が聞こえますか」と記された黄色い紙の2種類。黄色には警告(イエローカード)の意味を込めた。

 生徒は両方か、どちらか一方に評価と自分の名前を書き込んで提出。青紙には「説明が分かりやすい」、黄紙には「早口で何を言っているのか分からない」「できないとバカにする」などと書かれていた。山田博校長は「匿名だと中傷になる恐れもある。どんな風に見られているのか分かって、先生のやる気が出てきた」。

 授業評価を導入する理由について、府教委の成山治彦教育監は「教室の主人公は子ども。『分かる授業』でなければ、学校本来の役割を果たせない」と説明する。

 先生の指導力低下を防ぐ狙いもある。府立学校では昨年度、291人の教員が指導力不足とされ、16人が退職勧奨を受けている。

 個々の評価について、府教委は「給与には反映させない」とする。しかし教職員組合からは、将来的に査定につながる恐れがあるとして「子どもや保護者に迎合する先生も出かねない」と懸念する声も出ている。

 文部科学省によると、こうした授業評価は、東京都教委が04年度から全都立高で始めたほか、高知県や長野県の公立校でも導入しているという。

 同省学校評価室は「内輪だけで学校運営をする時代ではない。今後は、第三者の目も生かして、より『開かれた学校、ためになる授業』にするためにも、評価制度は欠かせない」としている。

[asahi.com]

親や子供に迎合する教員が多数輩出される恐れあり。今後の教員に求められるものは、子供や親に対して(決して暴力を伴うことなく)本人の信念に基づく毅然とした態度を取ることであって、決して迎合姿勢ではない。本当に指導力不足である教員は解雇なり減俸なりするべきだけども.