何でもかんでも「格差社会」にこじつけるのもどうかと思うが

全国有数の進学校 親の期待と厳しい競争 奈良放火事件
2006年06月23日12時23分
 奈良県田原本町の母子3人が死亡した火事で殺人・放火容疑で逮捕された高校1年の長男(16)は、事件当日に予定されていた「学年保護者会」を強く意識していたと供述している。通っていた学校は全国有数の中高一貫進学校。親の期待と厳しい受験競争のなかで、長男は何を思っていたのだろうか。

 「親にテスト結果を告げられることにプレッシャーを感じることもある」。長男の通う高校の2年生はそう漏らした。

 中間試験後に実施される「学年保護者会」は年2回、期末試験後には年3回の「個人面談」が実施される。中間試験後は保護者を集めて成績表を配り、期末試験後は本人を含めた三者面談で成績が渡される。

 同校の今春の卒業生約200人のうち4割近くが東大か京大に、約15%が難関の国公立大の医学部医学科に合格した。

 別の2年生は「みんな有名大学を目指しているので自分だけ落ちこぼれるわけにはいかない」と打ち明けた。

 逮捕された長男の父は、息子が自分と同じ医師になることを望んでいたという。亡くなった母は「あこがれの進学校にいけたのに、周りがみんな優秀で、なかなか上に行けず大変」と近所の人にこぼすこともあったという。

 同校は中学が1学年約180人の4クラスで、高校からは入試で約45人が編入され、5クラスになる。

 同校OB(31)によると、中学校から内部進学した生徒の中には高校1年生の中間試験のとき、編入組の生徒との競争で、校内順位が中学の時と比べ大きく落ちてしまって悩む子もいるという。中学から同校に通っていた長男にとっては事件当日が高校進学後の初めての保護者会だった。

 学年保護者会がプレッシャーになっていた可能性について校長は「その件についてはまだお答えできない。ただ、学校としては保護者に成績を渡すことは当然のことと考えている」と話した。

    (後略)
[asahi.com]

仮にこれが事実だとしたら、俗に「勝ち組」と言われる人たちの子息であったゆえの悲劇かもしれない。親の希望、期待に反してしまったことに対しての絶望、親と自分の間にある絶対的な能力差を感じてしまった子供の、悲痛な叫びだったのか・・・