科学 vs 精神論という不毛な展開

「四球より打たれたほうがまし」に異論 神大教授が分析
2005年09月17日07時04分

 先頭打者を四球で出すくらいなら打たれた方がまだまし――プロ野球解説者らがよく口にする野球の通説の一つは統計上はあてはまらないことが、神戸大の加藤英明教授(55)=行動経済学=の調査でわかった。

 プロ野球ファンの加藤教授は、数ある通説が本当なのかどうかに関心をもち、04年と05年前半の公式戦225試合をビデオ録画して分析。手始めに、1試合の中で、サンプルの収集が容易なこの説について考察してみた。

 その結果、先頭打者に四死球を与えた回は262回あり、このうち失点したのは100回(失点確率は38.2%)、平均失点は0.81点だった。これに対し、安打(単打)を打たれた回は730回あり、失点したのは334回(失点確率は45.8%)、平均失点は0.97点で、それぞれ7.6ポイント、0.16点高かった。統計上は先頭打者を安打で出した方が、四死球で出すよりも、多く失点していた

 加藤さんは「四球をきっかけにした失点は、大して打たれたわけではないのにという気持ちもあって記憶に残りやすい。このため、安打を打たれたときより重大な結果を招くと誤解されてしまうのではないか」と話している。

 現役監督時代に「理論野球」で知られた野球評論家の広岡達朗さんは「先頭打者に四球を出すと『投手が精神的に弱い』と思い、バックの守備陣やベンチの監督、選手がマイナス思考になる。勝負に出て打たれた方が全体的にはまだプラス思考になれるということだ。スポーツは精神的な面が大事だ」と話している。

[asahi.com]

まあ,特に言及する必要もないことであるが,両者で話が噛み合っていないな,と.