「プロパー」の不遇

子会社採用の人間(「出向者」に対し,「プロパー」と呼ばれる)は,昇進に上限がある.それは,もともと「子会社」であるがゆえに,子会社のトップや部長以上の役職者は親会社の出向者,子会社設立時から参加している親会社出身者が独占しているからである.つまり,子会社採用の人間は,「よくて課長」どまり,「部長以上は奇蹟」という状況なのである.また,子会社のトップ人事は,親会社が絶対的な発言力を持つ*1これは,親会社に反乱を起こすような子会社を生み出したくない,という親会社の意向が強く,かつ,子会社の現職トップも親会社出身,そして50%以上の株を保有する筆頭株主が「親会社」である,ということから成り立っている現象である.子会社採用の人間は,どう足掻いても親会社出身の人間に太刀打ちできないのである.
給与に関しても,新卒採用時の給与(初任給)は親会社,子会社を問わず同一金額であっても,親会社採用の人間の方が,昇給するまでの期間が短く,1回当りの昇給額も高く設定されている場合が多い.子会社採用の新入社員が,この辺の裏事情を理解出来てくれば,「新人」を脱したと言っても良い(苦笑).

*1:典型的な事例がつい最近あった.NTT DoCoMo が社内で決定したトップ人事の人選に対し,親会社である持ち株会社が三行半を突きつけた事例である 参考:緊急時にも内輪の論理、ドコモ社長に事務系の中村副社長昇格へ