昔から、「この国の統計は信頼できない」と言われ続けていますが・・・

中国の燃料消費「公表より多い」 衛星観測で分析
2007年04月09日15時25分

 地球温暖化を促すとみられる二酸化炭素(CO2)排出量の算出基礎となる燃料消費量について、中国政府が実際の消費量より過小に公表しているようだ。海洋研究開発機構などが人工衛星の大気観測データを分析して突き止めた。中国はCO2排出量がすでに世界2位だが、排出量は急速に増えているとみられ、今後、詳細な解析が必要だ。欧州の大気環境学誌に論文が掲載された。

 同機構地球環境フロンティア研究センター(横浜市)の秋元肇プログラムディレクターらは、欧州の大気観測衛星データから、燃料消費で生じる中国上空の二酸化窒素(NO2)量の推移を調べた。NO2もCO2も化石燃料などの燃焼で発生するが、NO2はCO2に比べ衛星からとらえやすく、数時間で分解されるので、観測時の燃料消費量の指標になる。観測の結果、中国上空のNO2は、96年に比べ、02年には約50%も増えていた。

 国際エネルギー機関(IEA)は中国国家統計局の燃料消費統計を上方修正して公表しているが、それを基に計算しても同時期のNO2発生量は15%増にとどまり、衛星観測の結果との差について説明がつかない。

 燃料の種別が分からないため、衛星データから真のエネルギー消費は逆算できないが、秋元さんらは「国家統計局が示す消費量は明らかに少なく、(温室効果ガス)排出量の算出に使うべきでない」と結論づけた

 温暖化政策に詳しい明日香寿川(あすか・じゅせん)・東北大教授は「中国のCO2排出量は10年に世界一になるとの予測もある。環境に関する技術やノウハウを持つ日本は、中国などアジアの統計整備に貢献すべきだ」と話す。

 中国は昨年夏、最新版のエネルギー統計年鑑を発行、理由を説明しないまま、99年以降の数値を上方修正した。分析はまだだが、国立環境研究所の大原利真・広域大気モデリング研究室長は「修正幅が小さく、中国はまだエネルギー消費量を過小評価している可能性がある」と指摘している。
[asahi.com]

10年以上前の話であれば、その国土面積、人口の多さ、社会体制といった様々な理由から、まともな統計を取ることが不可能だった中国。ここ10年の経済+技術発展で、これまで使ってきた「統計の信憑性に対する言い訳」が通用しなくなりつつあります。中国共産党が、何らかの意図(この統計に関して言えば理由は明白なんですが)をもって統計の結果を歪曲している、と見た方が正しいでしょうね。