ヒトラーはともかく、レーニンを引き合いに出す、ということに疑問

米大統領、アルカイダをレーニン、ヒトラーとなぞらえる
2006年09月06日11時10分
　ブッシュ米大統領は５日、国際テロ組織アルカイダの指導者オサマ・ビンラディン容疑者を、共産主義にとってのレーニンやナチズムにとってのヒトラーになぞらえ、「邪悪な野心家を過小評価するのは大きな過ちだと歴史は教えている」と述べ、イラクから米軍が撤退すればアルカイダがイラクを聖域として活用すると訴えた。

　９月１１日の同時多発テロ５周年前後に続ける対テロ戦争に関する演説の一環として、米国軍将校協会の会合で演説した。

　大統領は、レーニンが共産主義革命を目指す本を出版した時や、１９２０年代にヒトラーがユダヤ人絶滅の意図を自著で説明した時に「世界は真剣に受け止めず、後から痛い代価を払った」と主張した。

　そのうえで「ビンラディンとそのテロ同盟者たちはレーニンやヒトラー同様、意図を明確にしている。問題は我々がそれを聞くかどうかだ」と問いかけ、「我々は攻撃を続け、たゆまず、こうした文明にとっての脅威が除去されるまで撤退しない」と強調した。

　一方で、イランについても言及。「シーア派過激主義も（アルカイダと同様に）米国にとって危険で敵対的だ。シーア派過激主義者たちは、アルカイダがこれまで達成しなかったことをすでに実現している。７９年にイランの政権を握り、民衆を圧制の下に置いた」と指摘。「我々は圧制に屈しない」と、イランに核兵器の保有を認めない立場を強調した。
[asahi.com]

レーニンに対する歴史的評価って、そんなに酷いものに変わったのでしょうか? ブッシュ大統領が下した解釈は、「70年近くもの長きに渡り、ロシアの地を暗黒の世界へと導いた首魁」というものなんでしょうが、ロシア革命は農奴解放といったプラスの側面も大きかったことを忘れてはいけないのではないかと。
旧ソ連における共産主義の失敗は、資本主義が成立していない土地に共産主義を適用したが故の失敗であって(中国も然り)、個人的に、(左翼ではないけれども)共産主義の理想やレーニンの思想の根本はそこまでけなすようなものではなかろうかと考えます。ここでレーニンではなくスターリンを引き合いに出したのであれば、理解できるんですけれど。旧ソ連を暗黒の世界へと変えてしまったのは、腹心をも粛正しまくっていたスターリンですから。

資本主義陣営のトップとして、共産主義国家の存在意義を認めることができない、という立場に基づいて話しているのかもしれませんけどね・・・