貿易上は重要な相手国(ではなく、「地域」)ですが

台湾、「首都」空港名から「蒋介石」の名前外す
 【台北=山田周平】台湾の蘇貞昌行政院長(首相)は1日、台北郊外にある台湾最大の空港「中正国際空港」を「台湾桃園国際空港」に改称すると表明した。中正は国共内戦に敗れ、中国大陸から台湾に逃れた国民党政権の指導者だった蒋介石1920年代以降に使った名前。台湾独立を志向する陳水扁政権による脱中国政策の一環だ。

 新たな名称は空港の所在地である桃園県にちなむ。混乱を避けるため、航空業界が使っている「TPE」の略称は変更しない。6日の行政院会(閣議)で正式に決める。同空港は1979年に開港し、台湾の事実上の首都空港の機能を果たしている。 (21:00)
[NIKKEI.NET]

日本国民の皆さんのほとんどが忘れていますが、現在の「台湾」の正式国家名は「中華民国」です。この中華民国(国民党政権)、第2次世界大戦後に中国本土で共産党との内戦を繰り広げた後、最終的に敗北し、中国本土から現在の台湾に逃げていって居座った、いわば亡命国家です。こんな経緯があるが故に「中台問題」なる国際問題が存在するわけですよ。そして日本は、1972年に中華民国と敵対する中国本土の共産党政権(中華人民共和国)と国交を結んだため、1972年以降、「台湾」と日本は、公的な外交ルート上における国交はありません(民間レベルの経済的なつながりがあるということはご承知の通り)。なので、「台湾」は「国家」ではなく、「地域」なのです。
そんな経緯を持っているこの地域、亡命してから50年以上経過して、やっと創業者*1である蒋介石の呪縛から解放され始めているんでしょうかねぇ。

*1:亡命した本人として。国民党の真の創業者は、中華人民共和国の国民からも尊敬されている孫文