留学生の大量導入が当面の打開策でしょうが,学生の質が低下する恐れあり.

定員割れ私大、40.4%と過去最高に
2006年07月24日21時54分

 定員割れを起こした私立大学が、昨年度から10.9ポイント増え、今年度は40.4%と過去最高になったことがわかった。24日、日本私立学校振興・共済事業団(私学事業団)が公表した。少子化で受験人口が減ったうえ、大学や学部の新設が影響している。ほかに、大都市部に比べて地方私大の不振という二極化も原因という。

 事業団によると、4年制の私大は今年5月現在で、556校ある。このうち550校のデータを集計した。

 それによると、今年4月の入学定員は約44万人。25校で定員枠を縮小したが、8校と50学部が新設されるなどした結果、定員数は昨年度比で約9300人増えた

 大学全体の定員に入学者数が達しなかった定員割れの私大は40.4%にあたる222校。昨年度は29.5%で、160校だった。女子大に限ると、44.2%で(昨年度は34.6%)で、私大全体の比率よりも高かった。

 97年度に5.4%だった比率は00年度以降、30%前後で推移。この1年間で急激に伸びたことについて、事業団は、入学定員枠の増加のほか、少子化により18歳人口が約4万人、浪人生の数も約2万3000人、それぞれ減ったことなどを挙げている。

 地域でみると、定員割れの比率は東京地区が12.4%、南関東(神奈川、埼玉、千葉3県)と京都・大阪が30%台。これに対し、中国は64.7%、四国は62.5%、北陸は60.0%だった。

 東京周辺や京都・大阪には学生数が多い人気がある大学が集中しているためとみられる。地方に少なくない中小規模校は苦戦を強いられている。

 事業団は「定員割れが即座に破綻(はたん)につながるわけではないが、不人気学部の整理や、場合によっては法人の閉鎖も必要になる」と話している。
[asahi.com]

大学全入時代というものは,「学士」の価値が運轉免許並になってしまうことと同値です.従って,就職等では「大学を卒業したか否か」ではなく,「どの大学を卒業したか」という質が問われることになるわけですな.当然,実蹟の無い大学は敬遠されるわけで・・・
基本的に国費留学生しか来ていなかった10年以上前の時代であれば,下手な日本人よりも100倍以上優秀なヒトが留学生としてやってきていたわけですが,10数年前から,「私費留学生から金を巻き上げて,大学も潤うようにしよう」,と文部省(文部科学省)が方針転換して以降,留学生の質は大幅に低下しているのが現実.
私学の経営面ばかりに主眼を置いて,質の低い留学生を大量導入,という対策はキャンパス,及び周辺地域の治安悪化や日本人学生のモチベーション低下といったデメリットを表面化させるおそれもある「諸刃の剣」なので,つぶれるべき大学はいっそのこと,文部科学省が引導を渡して,潰してもいいかと.