パート従業員の処遇改善だけにとらわれてはいけないような気も.

仕事同じならパート賃金社員並みに 厚労省が法制化検討
2006年06月30日15時24分
 厚生労働省は30日、パート社員と正社員との賃金格差などを是正するためパート労働法を改正して処遇改善に取り組むことを決めた。正社員と同じような仕事をしているパート社員には同じだけの賃金を払うことなどを法律に明記し、企業へ指導を強める方針だ。同省の労働政策審議会雇用均等分科会で議論し、来年の通常国会への改正案提出を目指す。

 93年にできたパート労働法は、企業にパート社員の雇用管理の改善を求めたが、具体的な基準がなかった。03年の「パート労働指針」には、▽仕事の内容や責任が実質的に正社員と同じなら、同じ賃金表や査定方法を使う▽正社員と異なる場合も、一律いくらではなく、能力や経験に応じて評価する「均衡処遇」をとる▽正社員への転換制度の創設――などが盛り込まれたが、強制力がなく行政指導が出来なかった。

 同省では、これらの措置を法律に明記して、企業への指導を強めたい考え。また、処遇の改善だけでなく、能力開発など「機会の均等」についても、盛り込むことを検討している。

 週の労働時間が35時間未満のパート社員は、05年で約1266万人で、雇用者の4人に1人を占める。店長など基幹的な役割を担う「戦力化」も進み、女性だけでなく、男性もこの10年で120万人増えている。

 一方で正社員との賃金格差は、女性で正社員の71%、男性で63%(05年)と開いたままで、昨年、同省の外郭団体が実施した調査でも「正社員的パート」なのに、賃金は正社員の7割以下しか払っていないという企業が、全体の28%に上っていた。
[asahi.com]

労働者側の観点からすれば万万歳の方針ではあるが,経営者側の観点からすれば,非常に微妙な方針.

何故企業が「パート」として雇うか,ということは誰にでも判る.それは「人件費圧縮」に尽きる,日本人パートタイマーの平均時給が高騰すると,企業経営者としては「パートを雇おう」と言う意欲も無くなってしまうだろう.そしてその次に現れる現象(企業側の対処法)は,外国人労働者の導入でしょうね.結果として,日本人パートタイマーの求人が減る→景気後退の可能性というシナリオも有り得ますよね・・・

逆の見方をする事も出来る.「同じ給与を支払っているのだから」といいながら,正社員の人間をパートタイマーへと降格させる企業も出てきそうである.いずれにしても注意深く,慎重に法改正するべきではなかろうか.