バーミヤン石窟

バーミヤンで新石窟見つかる 仏陀囲む座仏像など確認
2005年07月20日19時45分


コレ・ジャラールの石窟の側壁で新たに見つかった仏教壁画。頭部が力強く描かれている=独立行政法人文化財研究所提供

 アフガニスタンにある世界遺産バーミヤン遺跡で、壁画を描いた7〜8世紀の仏教石窟(せっくつ)が新たに見つかった。今年6月から遺跡保存事業を実施していた独立行政法人文化財研究所が20日、発表した。

 石窟はバーミヤン谷の西の端にあたるコレ・ジャラール地区で発見された。大規模な破壊は受けておらず、幅3メートル、奥行き3メートル、高さ2メートル。すすなどで汚れているため、全容がはっきりしないが、天井と側壁の全面に壁画が描かれていたと考えられている。

 特に西側の壁には、力強い筆致で描かれた、仏陀を囲む座仏の図像などが見つかった。このほか、中央アジアの絹織物などに見られる円形の連珠文が確認され、この種の文様がアジア各地に広がっていく様子が明らかになった。また、壁画の一部に薄い金線を使って文様を表現していることもわかった。

 絵の様式などから、いずれも同遺跡の最盛期にあたる7〜8世紀に描かれたものとみられる。

 今回の調査では、旧タリバーン政権が破壊した東大仏のがけ下でも、崩落した石窟の天井などから、新たな壁画が見つかっている。「堆積(たいせき)した土砂の中には、まだ多くの石窟があるのではないか」と、調査にあたった東京文化財研究所の山内和也・地域環境研究室長は話す。

 調査に参加した前田耕作・和光大名誉教授(アジア文化史)は「バーミヤンでは多くの仏教壁画が破壊された。その中で、今回の発見は失われたものの一部を埋めるという意味で、大きな意義があると思う」と評価している。
[asahi.com]

破壊される以前、「いつかはバーミヤンに行ってみたいなぁ」、と思っていたので、TVニュースで旧タリバーンが行ったあの破壊活動を見たときは、本当に絶句したものだった。保存活動、がんばってください。様々な宗教芸術を、宗教と言う垣根を越えて保護できるのは、一般的には無宗教と言われる日本人が最適かもしれませんので。