教員の作業量は増加しますよね.これ・・・

小中校で通知表廃止 年4、5回評価 埼玉県熊谷市教委
2006年07月09日19時29分
 公立小中学校で学期ごとに評価していた通知表を埼玉県熊谷市教委が、来年度から廃止することが分かった。年4、5回程度、単元など学習のまとまりごとに、より細かく評価する新しい仕組みを導入する。2学期制への移行に伴う措置で、「年2回の評価では、正確な状況がわからない」という保護者側の要望が背景にある。今後、各教科の教師からなる専門の部会でモデル案を作成し、来年度から各校が採用する。

 新しい制度は、国語なら小説などの題材、理科や社会だと単元、算数なら章で……といったように、1教科につき7〜10時間程度の学習のまとまりごとで評価し、保護者に知らせる。年間4、5回程度を想定している。

 現在は3段階評価だが、評価や評定の出し方は今後決める。学習の達成状況の他、意欲や態度も評価する。全教科をまとめて冊子にするか、各教科ごとにファイルケースにまとめるなど、やり方は各学校に任せる。評価と通知をこまめに行うことで、学校と保護者が、子どもの学習の達成状況について相互理解を深めることなどが狙い。

 市内には市立小学校が28校、同中学校が16校ある。市は02年度から2学期制への移行を推進。今年度で全校が移行した。

 今後は、小中学校の各科目ごとに数人の教師が集まり、10月までにモデル案を作成する予定だ。

 2学期制は週5日制による学力低下への不安を背景に、授業時間増の切り札として全国に広まった。文部科学省の04年度の調査では、2学期制を採っている公立校は小学校が9.4%、中学校が10.4%、高校で26.1%に達した。

 一方で導入した学校の中には、評価が年2回しかないことへの不安・不満の声が寄せられるケースが少なくない。

 「学期ごとの通知表をとりやめるのは全国的に珍しい」と話す教育評論家の尾木直樹さんは「保護者の不安解消につながる上に、教師も子どもの弱点を把握して学力向上を図れるという点では実践的だ」と評価する。

 国立教育政策研究所の工藤文三・初等中等教育研究部長は「2学期制に移行する学校が増えている中で、通知表が少ない点をカバーできる」とした上で、取り組みを現場に生かすには、通知後、教師が子どもに具体的な学習プランを示すことが重要だと指摘している。

[asahi.com]

社会的にも入試のためのランク付けとしか利用されていない,という実情はあるが,「教育評価」はあくまでも「教育」という行為がいかに子供に反映されているか,という結果を確認するための「手段」であって,子供を序列化することが「教育評価」真の目的ではない.教育評価という行為によって理解の足りない子供を見つけだし,そのような子供を救済すること,そして理解度の高い子供を見つけ出して,その子供の長所を伸ばす指針とすること,これらが理想論としての「教育評価」の目的である.その辺を理解していない親が増えている事は事実.
単元毎に全生徒の評価をするわけだから.単元毎に小テストを行い,評価する,という形式にならざるを得ないのでは.そうすると,小テストの作成・実施・評価という作業が教員にのしかかる.また,子供のほうも小刻みに行われるテストの対策に汲々としてしまうのではなかろうか? そして綜合的に,教育の質を低下させるおそれがあるかもしれない.
これでは本末転倒.再考の余地有り,と見ますが,如何?